

カフェ開業の物件探しで怖いのは、「良さそう」と思って契約したのに、あとから“どうにもならない弱点”に気づくことです。立地や家賃だけを見て決めてしまい、工事や運営の段階で「これは避けておけばよかった…」と後悔するケースは少なくありません。
この連載「カフェ物件選びのヒント」では、カフェ開業支援から生まれた不動産会社「個人カフェ不動産」の視点で、物件探しにまつわるテーマを一つずつ取り上げています。
今回は、契約前に見抜きたい「ダメ物件(=カフェに向かない物件)」のNG条件を、チェックリストとして整理します。
ここで言う「ダメ物件」は、物件そのものが悪いという意味ではありません。あくまで「カフェとして運営するには、コスト・制約・リスクが大きすぎる物件」のことです。
同じ物件でも、業態や規模によっては“アリ”になることもあります。大切なのは、契約前に「自分のやりたいカフェにとって致命傷になる条件かどうか」を見極めることです。
もっとも致命的なのが、飲食営業そのものに制約がある物件です。
用途地域や建物の規約で飲食が不可、または制限がある
排気・ダクトを新設・延長できない(煙・臭いを出せない)
火気(コンロ・オーブン)の使用に制限がある
この手の制約は、あとから工事や交渉で解決できないことが多く、業態そのものを縛られます。
「やりたいメニューが出せない物件」は、入口の時点で候補から外すのが賢明です。
見た目ではわかりにくいのに、工事費を大きく左右するのがインフラです。
電気容量が小さく、増設に高額な工事が必要
給排水位置が悪く、厨房レイアウトが組めない
グリストラップを設置するスペースがない
ガス容量が不足している/都市ガスが引けない
「家賃は安いのに、インフラ工事だけで数百万円」というのは典型的な後悔パターンです。
安さの裏にある工事コストまで含めて判断しましょう。
契約書の文言そのものがリスクになるのがこのポイントです。
原状回復の範囲が広く、退去時に高額な費用がかかる
スケルトン返しが必須で、居抜きのメリットが消える
指定業者しか使えず、工事費が割高になる
入るときより「出るとき」に大きなお金がかかる物件は、事業の出口を縛ります。契約前に必ず条件を確認しておきたい部分です。
居抜きは初期投資を抑えられる反面、当たり外れが大きいのが実情です。
厨房機器が古く、結局買い替えが必要
残置物が「撤去前提」で、処分費が発生する
ダクト・グリストラップが老朽化している
造作譲渡の金額が、設備の実態に見合っていない
「安く居抜きで入れた」と思っても、使えない設備の撤去・入れ替えで結局スケルトンより高くつくこともあります。残置物リストは“資産”ではなく“状態”で見るのが鉄則です。
運営が始まってから効いてくるのが、近隣環境との相性です。
上階・隣が住居で、臭い・煙・騒音のクレームが出やすい
学校・病院が近く、営業内容に配慮が必要
ゴミ置き場や搬入経路が確保しづらい
貸主・管理会社が飲食に不慣れで、交渉が進まない
こうした条件は、契約後に「営業時間を短くせざるを得ない」「一部メニューを諦める」といった形で運営を縛ってきます。
「駅から近い」「人通りが多い」だけで飛びつくと、家賃負担で経営が苦しくなります。
想定売上に対して家賃比率が高すぎる(目安を大きく超える)
空中階・地下で、集客に追加コストがかかる
通りは強いが、カフェの客層とズレている
席数が取れず、家賃を回収できない面積
物件は「借りられるか」ではなく「その家賃で成立するか」で見ることが大切です。
図面だけではわからないNGサインは、内見で拾えます。
客導線・スタッフ導線が交差して動きにくい
厨房スペースが狭く、オペレーションが回らない
収納スペースがなく、備品や在庫の置き場に困る
「雰囲気が良い」で決めず、“運営目線”で歩いてみると、住み始めてから効くストレスを事前に減らせます。
ダメ物件を避けるうえで大切なのは、
原状回復・工事区分など、契約書のリスクを読む
居抜きは「金額」ではなく「状態」で判断する
家賃は「総額」と「売上とのバランス」で見る
こと。NG条件は、契約したあとでは手遅れになりやすいからこそ、探し始め〜内見〜契約前の段階で一つずつ潰していくのが近道です。
個人カフェ不動産では、カフェづくりの視点で、こうした「ダメ物件のNG条件」を契約前に一緒にチェックしながら物件探しを進められます。
相談だけでもOKなので、気になる物件があればお気軽にお問い合わせください。
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